外壁塗装は引き渡し後しばらく経ってから不具合が出ることがあり、そのとき施工した会社が倒産していると補修を頼む相手がいなくなります。このリスクに備える仕組みがリフォーム瑕疵保険です。この記事では、国土交通省指定の保険法人である住宅保証機構の商品内容をもとに、補償される範囲と保険期間、外壁塗装で対象外になりやすいケース、加入している業者かどうかを確認する方法を整理します。
リフォーム瑕疵保険とはどういう仕組みか
リフォーム瑕疵保険は、工事を行った事業者が、工事部分の瑕疵(欠陥)について補修の責任を果たしたときに、その費用を保険でてん補する制度です。保険に入るのは施主ではなく施工会社で、あらかじめ保険法人に事業者登録をしている会社しか利用できません。
施主にとって重要なのは、施工会社が倒産などで責任を果たせなくなった場合、発注者が保険金を直接請求できる点です。保証書を渡されていても会社がなくなれば意味をなさないことがありますが、保険であれば第三者である保険法人が支払いの窓口になります。保証との違いは外壁塗装の保証内容とあわせて確認すると整理しやすくなります。
もうひとつの特徴が現場検査です。住宅保証機構の場合、同機構から派遣された建築士が、設計施工基準にもとづいて施工状況を検査します。第三者の目が入る工程が挟まること自体が、手抜き工事の抑止になります。
保険期間と支払われる金額
補償の範囲は工事の部位によって分かれています。以下は住宅保証機構「まもりすまいリフォーム保険」の内容です。
| 保険期間 | 対象となる部分 |
|---|---|
| 5年間 | 構造耐力上主要な部分が耐力性能を満たさない場合/雨水の浸入を防止する部分が防水性能を満たさない場合 |
| 1年間 | 上記以外の部分が社会通念上必要とされる性能を満たさない場合 |
| 10年間 | 基礎を新設して増改築工事を行う場合(増築特約を付帯した部分) |
保険金の支払限度額は、工事請負金額以上の額を100万円〜1,000万円の範囲(100万円単位)で設定する仕組みで、請負額が1,000万円を超える場合でも限度額は1,000万円です。増築特約の対象部分は2,000万円が限度額となります。支払われる保険金は「(損害額−10万円)×80%」で計算され、免責の10万円と残りの2割は事業者の自己負担です。ただし事業者が倒産していた場合は、てん補割合が100%となって住宅取得者に支払われ、免責の10万円のみ自己負担となります。
※記載の料金・条件は2026年9月時点で住宅保証機構株式会社の公式サイトに掲載されていた内容です。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
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外壁塗装で対象外になりやすいケース
保険があれば塗装のあらゆる不満が補償されるわけではありません。住宅保証機構が公表している支払対象外の事由のうち、外壁塗装で特に関係が深いのは次の3つです。
- 色の選択の誤り:建材や内外装の色・柄・色調の選択の誤りは対象外で、塗装作業における塗料の色の選択も明記して含まれています。仕上がりの色が想像と違った、というのは保険では救済されません。外壁塗装の色選びの段階で詰めておく必要があります。
- 意図した性能が出なかったこと:防音性能や断熱性能など、発注者が期待した効能が発揮されなかったことも対象外とされています。遮熱塗料を使ったのに涼しくならなかった、といった主張は通りにくいことになります。
- 自然災害による損害:台風や洪水などの自然現象、火災や落雷による損害は瑕疵保険の対象外です。これらは火災保険側で扱う領域になります。
また、工事完了確認日より後に別の工事を行い、その部分に不具合が出た場合も対象外です。保険の開始日は工事完了確認日であり、転売時に次の所有者へ保険を引き継ぐことはできない点も押さえておきましょう。
加入している業者かどうかを確認する方法
リフォーム瑕疵保険は登録事業者でなければ利用できないため、まずは見積もり段階で「リフォーム瑕疵保険の登録事業者かどうか」を直接たずねるのが早道です。住宅保証機構が事業者に求めている要件は次のいずれかで、会社としての体制を測る目安にもなります。
- 建設業法による建設業許可を受けていること
- 継続して3年以上リフォーム工事業を営み、直近3年以内に工事の実施件数が5件以上あること
- 上記を満たす事業者において3年以上の実務経験を持つ者が、建築士や建築施工管理技士などの資格を有していること
許可や資格の確認方法は外壁塗装業者の資格・許可の見方で詳しく扱っています。保険は工事ごとに申し込む仕組みなので、登録事業者であっても今回の工事に付保するかどうかは別の話です。見積書に保険料の項目があるか、なければ付保を依頼できるかを確認してください。保険料は施主負担になるのが一般的です。
なお、保険に入っていない会社が悪いとは限りません。登録していない小規模な塗装店でも丁寧な仕事をするところはあります。ただし倒産リスクへの備えという点では差が出るため、リフォーム会社が倒産したときの対応もあわせて知っておくと判断しやすくなります。
まとめ
リフォーム瑕疵保険は、施工会社が倒産しても補修費用が保険から支払われる可能性を残す制度です。保険期間は部位によって5年・1年・10年に分かれ、支払額は損害額から10万円を引いた額の8割が基本となります。一方で、色の選択の誤りや期待した性能が出なかったことは対象外で、万能の仕組みではありません。見積もりを取る段階で登録事業者かどうかを確認し、保証書の内容と重ねて判断するのが現実的です。複数社の条件を並べて比べたい場合は外壁塗装の見積もり比較から始めてください。
よくある質問
外壁塗装だけの工事でもリフォーム瑕疵保険に入れますか?
住宅の一部にかかる補修工事が対象とされているため、塗装単独の工事でも制度上は対象になり得ます。ただし付保するかどうかは登録事業者である施工会社の判断と申し込みが前提です。工事内容が基準に適合しているかの確認も必要なので、見積もり段階で施工会社に相談してください。
保険料は誰が払うのですか?
保険を申し込むのは施工会社ですが、保険料は工事費用に含める形で施主が負担するのが一般的です。見積書に項目として記載されているか、記載がない場合は付保の有無を確認するとよいでしょう。金額は工事請負金額や設定する支払限度額によって変わります。
保証書があれば瑕疵保険は不要ですか?
役割が違います。保証書は施工会社が自社で補修を約束するもので、会社が存続していることが前提です。瑕疵保険は会社が倒産した場合に発注者が直接請求できる点に意味があります。どちらか一方ではなく、両方の内容を確認したうえで判断するのが安全です。



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