外壁塗装の業者選びでは、見積金額や口コミに目が向きがちです。ただ、金額の妥当性を判断する材料が少ない中で、もうひとつ客観的に確認できるのが「資格と許可」です。塗装工事は資格がなくても始められる面があるため、どんな裏づけを持っている会社なのかを知っておくと、候補を絞る精度が上がります。この記事では、外壁塗装業者を見るときにチェックしたい資格・許可・保険と、その確認方法を整理します。
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建設業許可はどんなときに必要か
建設業許可は、一定規模以上の工事を請け負う場合に必要となる、都道府県知事または国土交通大臣の許可です。塗装工事では「塗装工事業」の区分が該当します。
一般的な戸建て一軒の外壁塗装は、金額の面で許可がなくても請け負える範囲に収まることが多く、許可がないこと自体が違法というわけではありません。ただし許可の取得には、経営経験や専任技術者の配置、財産的基礎といった要件があります。つまり許可を持っていることは、一定の実務経験と体制が確認された会社であることの目安になります。
- 許可番号は「◯◯県知事許可(般-◯)第◯◯◯◯◯号」の形式で表示される
- 会社のサイトや名刺、見積書に記載されていることが多い
- 国土交通省の建設業者検索システムで、許可の有無や業種を照会できる
塗装技能士という国家資格
塗装技能士は、塗装の実技と学科の試験に合格した人に与えられる国家資格です。1級と2級があり、1級は受験に一定年数の実務経験が求められます。
注意したいのは、これは会社ではなく「個人」に与えられる資格だという点です。「有資格者在籍」と書かれていても、実際に自宅の現場に入るとは限りません。気になる場合は、現場に資格者が入るのか、誰が施工管理を行うのかを質問してみてください。答えられるかどうか自体が、体制を知る手がかりになります。
そのほか確認しておきたい資格・登録
- 外壁塗装診断士、雨漏り診断士などの民間資格…劣化診断の知識を持つ目安になる
- 足場の組立て等作業主任者…足場を安全に設置するために必要な資格
- 有機溶剤作業主任者…溶剤系塗料を扱う現場で求められる
- 建築士…大規模な改修や、構造に関わる相談をする場合に関係する
民間資格は数が多く、名称だけでは実力を判断しづらい面もあります。資格の有無を単独で評価するより、後述する保険や施工体制とあわせて見るのが現実的です。
資格よりも先に確認したい「保険」
資格と同じくらい、あるいはそれ以上に確認しておきたいのが保険への加入状況です。塗装工事は足場を組み、高所で作業し、塗料が飛散する可能性のある工事です。
- 請負業者賠償責任保険…隣家の車や外壁を汚した、物を破損したといった事故に備える保険
- 労災保険…職人がけがをした場合に備えるもの。未加入だと施主側に相談が及ぶことがある
- リフォーム瑕疵保険…工事後に欠陥が見つかった場合の補修費用に備える任意の保険
「うちは保険に入っています」という口頭の説明だけでなく、証券の写しを見せてもらえるかを確認すると確実です。断られる場合は、その理由を聞いてみましょう。
確認するときの具体的な聞き方
資格や保険の話は切り出しにくいと感じるかもしれませんが、見積もりの相談中に自然に確認できます。
- 「建設業許可はお持ちですか。番号を教えていただけますか」
- 「現場には塗装技能士の方が入りますか」
- 「賠償責任保険と労災保険には加入されていますか」
- 「近隣に何かあった場合、どのような対応になりますか」
誠実な会社であれば、いずれも即答できる内容です。答えを濁したり、話をそらしたりする場合は、他社の対応と比べてみる価値があります。複数社に同じ質問をしてみると、対応の差がはっきり見えてきます。候補を並べて比べたい場合は、外壁塗装の見積もり比較サービスから複数社に声をかけると効率的です。
資格や許可を持っていても油断できないケース
許可や資格は判断材料として有効ですが、それだけで安心できるわけではありません。実際のトラブルでは、許可を持つ会社が関わっている例もあります。次のような状況では、資格の有無にかかわらず慎重に進めましょう。
- 訪問販売でその場の契約を強く求められる
- 「足場代を無料にする」など、根拠のない大幅値引きを提示される
- 見積書が「外壁塗装一式」だけで内訳がない
- 現地調査が短時間で、外壁の状態について具体的な説明がない
- 契約を急がせ、比較検討する時間を与えようとしない
資格は「入り口の条件」を満たしているかを示すもので、実際の施工品質や誠実さを保証するものではありません。提案の中身と資格の両面から見ることが大切です。
会社の実態を確認する方法
資格や保険に加えて、会社そのものの実態も確認しておくと安心です。特別な手間はかからず、契約前に短時間でできることばかりです。
- 所在地が実在するか、地図サービスで確認する
- 自社の施工事例が写真つきで掲載されているか見る
- 固定電話の番号があるか、連絡手段が携帯だけになっていないか
- 設立年や施工実績の年数が明示されているか
- 地元での営業年数や、対応できる範囲を確認する
外壁塗装は工事後に不具合が出るまで時間がかかることがあります。数年後に相談したいとき、その会社と連絡が取れる状態であるかどうかは、資格と同じくらい実務的に重要な視点です。
まとめ
外壁塗装業者を見極める材料として、建設業許可は体制の目安、塗装技能士は施工者個人の技能の目安、そして各種保険は万一のときの備えになります。どれかひとつで判断するのではなく、金額・提案内容とあわせて総合的に見ることが大切です。まずは同じ質問を複数社に投げかけ、返ってくる答えの具体性を比べるところから始めてみてください。


