外壁塗装の水性塗料と油性(溶剤)塗料の違い|においや下地から考える使い分け

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外壁塗装の水性塗料と油性(溶剤)塗料の違い|においや下地から考える使い分け

外壁塗装の見積書には、同じ製品名でも「水性」と「油性(溶剤)」の区別が書かれていることがあります。この記事では、水性塗料と油性塗料の違い、それぞれのメリットとデメリット、部位や下地による使い分けの考え方、においや近隣への配慮という観点からの選び方を整理します。どちらを選ぶべきか判断するための基礎知識をまとめました。

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水性と油性は「何で薄めるか」の違い

塗料は、樹脂・顔料・添加剤といった成分を、塗りやすい濃度に薄めて使います。このとき水で薄めるものが水性塗料、シンナーなどの有機溶剤で薄めるものが油性塗料(溶剤系塗料)です。つまり、シリコン塗料にもフッ素塗料にも水性タイプと油性タイプが存在します。「水性だから安い塗料」という意味ではありません。

さらに油性塗料は、使う溶剤の強さによって「強溶剤(ラッカーシンナーなど)」と「弱溶剤(塗料用シンナー)」に分かれます。住宅の外壁塗装で使われるのは弱溶剤タイプが中心です。

目次

それぞれの特徴

水性塗料 油性塗料
におい 少ない 強め
密着性 下地を選ぶ 幅広い下地に密着しやすい
乾燥 気温・湿度の影響を受けやすい 低温でも比較的乾きやすい
保管・取り扱い 扱いやすい 引火性があり管理が必要
環境負荷 揮発性有機化合物が少ない 揮発性有機化合物を含む
価格 同グレードならやや安い傾向 やや高い傾向

※上記は一般的な傾向です。製品によって性能は大きく異なり、価格も施工面積・地域・業者によって変わります。

水性塗料のメリットと注意点

最大の利点はにおいの少なさです。塗装期間中は窓を閉め切ることになりますが、水性であれば室内に流れ込むにおいが軽く、近隣への影響も抑えやすくなります。小さな子どもや高齢者がいる家庭、においに敏感な方がいる場合には現実的な選択肢です。

かつては「水性は油性より持ちが劣る」と言われていましたが、樹脂技術の向上により、近年は同グレードであれば大きな差はないとする見方が一般的になっています。実際、多くのメーカーが外壁用の主力製品として水性タイプを展開しています。

注意点としては、乾燥が気温と湿度に左右されやすいことが挙げられます。気温が低い時期や湿度の高い日は乾燥に時間がかかり、規定の乾燥時間を守らないと仕上がりに影響します。また、金属部やツヤのあるサイディングなど、密着しにくい下地では専用の下塗り材が必要になります。

油性塗料のメリットと注意点

油性塗料は密着性の高さが強みで、下地の種類を選びにくいという利点があります。鉄部やアルミ、雨どいなどの付帯部、ツヤのある既存塗膜の上など、水性では密着が難しい場所で選ばれます。低温時でも乾燥しやすいため、冬季の施工でも工程を組みやすいという面もあります。

一方で、シンナーのにおいは避けられません。施工中から乾燥するまでの数日間はにおいが残ることがあり、住みながらの工事では負担になる場合があります。近隣にお店や病院がある、洗濯物を外に干す習慣があるといった環境では、事前の説明と配慮が必要です。また、可燃物にあたるため保管や廃棄にも取り扱いのルールがあります。

部位による使い分けが一般的

実際の現場では、どちらか一方に統一するのではなく、部位ごとに使い分けることが少なくありません。

  • 外壁面:面積が広くにおいの影響が大きいため、水性が選ばれることが多い部位です。
  • 鉄部(手すり、階段、雨戸など):さびを抑える必要があり、密着性の高い油性の防さび下塗りが使われることが一般的です。
  • 雨どい・破風板などの付帯部:素材に応じて選ばれます。塩化ビニル製の雨どいなどでは、下地に合った製品を選ぶ必要があります。
  • 屋根:屋根材の種類と既存塗膜の状態によって判断されます。

見積書に「外壁は水性、鉄部は油性」といった構成が書かれていれば、部位に合わせて選んでいるということです。逆に、すべてが同じ塗料で一括りにされている場合は、その根拠を確認しておくとよいでしょう。

選ぶときのチェックポイント

  • 外壁材の種類(窯業系サイディング、モルタル、ALC、金属系)を伝え、それに適した塗料が提案されているか
  • 既存の塗膜が何かを調査したうえで提案されているか
  • においが気になる場合、その希望を伝えたうえで代替案が出てくるか
  • 施工時期の気温・湿度を踏まえた工程になっているか
  • 下塗り材が上塗り材と同じメーカーの指定品になっているか

水性か油性かは、業者の得意分野や在庫の都合で決まってしまうこともあります。希望や住環境の事情を伝えたうえで、複数社の提案を比べると納得しやすくなります。外壁塗装の一括見積もりサイト比較もあわせて参考にしてください。

樹脂のグレードから選びたい場合はシリコン塗料とラジカル制御型塗料の違いフッ素塗料の特徴と選び方もあわせてご覧ください。

まとめ

水性と油性の違いは、塗料を薄めるものが水か有機溶剤かという点にあります。かつて言われた性能差は近年小さくなっており、同じグレードであれば大きな違いはないとする見方が一般的です。水性はにおいが少なく住みながらの工事に向き、油性は密着性が高く鉄部や難しい下地に向くという特性があります。実際には部位ごとに使い分けるのが合理的なので、外壁材の種類と住環境の事情を業者に伝え、それに合った提案かどうかを見積書で確認してください。

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